「はじめに」とか「まえがき」がフェアな本は面白い

赤瀬川原平さんの「名画読本」という本があります。

レオナルドダヴィンチやモネ、ゴッホなど巨匠と呼ばれる15人の代表作に赤瀬川さんがズバズバと切り込んでいく内容なのですが、個人的に一番面白いのは「はじめに」の数ページで語られる絵画の鑑賞術部分です。

読んだ当時は「あー、そんな方法あるのね!!」と目からうろこが落ちまくり、作品を見ることや、絵画について考えることの精神的なハードルが大分下がりました。

もっと簡単に言うと「(絵に詳しくない自分でも)美術館に行ってみよう~」と気軽に思わせてくれる一冊です。

「はじめに」の数ページで以降の赤瀬川さんが書いている批評に読者が反論できるような作りになっているのがフェアだな~とお気に入りです。

何でこんなことを書いたかというと最近読んだ北村紗衣さんの「お砂糖とスパイスと爆発的な何か 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門」の「まえがき」部分がすごくよかったんですよ。それで突発的に言いたくなったんですよ。

以下から試し読みが出来ます~。

【試し読み】北村紗衣「まえがき 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門」から抜粋(『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』より)|書肆侃侃房 @kankanbou_e

note(ノート) https://note.mu/kankanbou_e/n/n7d3139b9d26e

でも私が好きな部分はこの試し読みには入っていない一文で、そこだけ引用すると

「(前略)批評をする時の解釈には正解はないが、間違いはある、ということです。」というとこなんです。

この部分を読んだとき、心の中で拍手喝采スタンディングオーベーションが起こりました。(誰が起立したのかは不明ですが)

そこよ、そこ。前提条件のすり合わせや確認が終わってないのに色々好きかって言いやがって。まずは細かい事実確認と解釈をしやがれ‼とね。

日頃のイライラを言語化して頂いてありがとうございます。という気持ちでいっぱいです。

そしてこのあとに「自由な解釈」について書かれているところがあるんですが、ここの書き方が、本や読者に対してフェアだな~と、めっちゃ好きです。

「自由に批評するために、自らの檻をぶち壊そう!映画と演劇を年に200本観るシェイクスピア研究者によるフェミニスト批評絶好の入門書。」ということです。

そんなこんなで、買って応援作者様や!!みんなも書店で見かけたら買ってみたり、webの連載を応援しよう!!

さて、ここまでが前振りでビブリオバトルについて書こうと考えていたのですが、思いのほか長くなっちゃったのでまた次回や!!

あでぃおす!!

鹿児島でビブリオバトルをする男's Ownd

鹿児島でビブリオバトルをする男のブログです。 開催状況や告知等、徒然なるままに書き散らしたり、3日坊主になったりします。

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